中小企業診断士の試験を受けようかと考えているんだけど、
- どんな試験科目があるの?
- それぞれの科目の試験内容は、どんなもの?
- 試験内容の詳細を、前もって知りたいなぁ
といった方も多いのではないでしょうか。
中小企業診断士の試験は、合計で1000時間以上の勉強時間が必要と言われており、
忙しい中で、いかに効率よく、時間を使えるかも重要となります。
そのためには、綿密な計画とスケジューリングも大切です。
そこで本記事では、中小企業診断士の試験の科目や試験内容、その中身の詳細について、サクッとまとめました。
中小企業診断士の試験科目の試験内容の詳細はこちらです
まずは、一次試験の試験科目からご紹介します
中小企業診断士の一次試験:試験科目
一次試験は、マークシート式で、計7科目あります。
試験は土日で行われ、土曜日に4科目(以下の1〜4)、日曜に3科目(5〜7)が行われます。
1、経済学・経済政策
2、財務・会計
3、企業経営理論
4、運営管理
5、経営法務
6、経営情報システム
7、中小企業経営・中小企業政策
中小企業診断士の二次試験:試験科目
二次試験は、論述試験で、4つの分野から出題されます。
1、組織・人事
2、マーケティング・流通
3、生産・技術
4、財務・会計
二次試験の論述試験に合格したら、口述試験があります。
これは、試験官(3人程度)と、二次試験の論述試験についての内容について、
別の角度から質疑応答をする、といった試験になります。
口述試験で落ちる方はほとんどいないので、実質的には、二次試験の論述試験までが山場となります。
中小企業診断士の一次試験:試験内容とその詳細
試験科目には7科目ありました。
その7科目それぞれについて、その詳細を説明したいと思います。
1、経済学・経済政策
経済学・経済政策で問われるのは、以下の内容になります。
企業経営において、基本的なマクロ経済指標の動きを理解し、為替相場、国際収支、雇用・物価動向等を的確に把握することは、経営上の意思決定を行う際の基本である。また、経営戦略やマーケティング活動の成果を高め、他方で積極的な財務戦略を展開していくためには、ミクロ経済学の知識を身につけることも必要である。このため、経済学の主要理論及びそれに基づく経済政策について、以下の内容を中心に知識を判定する。
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、2つに分類されます
①、マクロ経済学
- 国民経済計算
- 主要経済指標の読み方
- 財政政策と金融政策
- 国際収支と為替相場
- 主要経済理論
②、ミクロ経済学
- 市場メカニズム
- 市場と組織の経済学
- 消費者行動と需要曲線
- 企業行動と供給曲線
- 産業組織と競争促進
2、財務・会計
財務・会計で問われるのは、以下の内容になります。
財務・会計に関する知識は企業経営の基本であり、また企業の現状把握や問題点の抽出において、財務諸表等による経営分析は重要な手法となる。また、今後、中小企業が資本市場から資金を調達したり、成長戦略の一環として他社の買収等を行うケースが増大することが考えられることから、割引キャッシュフローの手法を活用した投資評価や、企業価値の算定等に関する知識を身につける必要もある。このため、企業の財務・会計について、以下の内容を中心に知識を判定する。
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、5つに分類されます
①、簿記や企業会計について
- 簿記の基礎
- 企業会計の基礎
- 原価計算
②、経営分析について
③、利益管理について
- 利益と資金の管理
④、資金管理・投資
- キャッシュフロー
- 資金調達と配当政策
- 投資決定
- 企業価値
⑤、証券・金融
- 証券投資論
- デリバティブとリスク管理
3、企業経営理論
企業経営理論で問われるのは、以下の内容になります。
企業経営において、資金面以外の経営に関する基本的な理論を習得することは、経営に関する現状分析及び 問題解決、新たな事業への展開等に関する助言を行うにあたり、必要不可欠な知識である。また、近年、技術 と経営の双方を理解し、高い技術力を経済的価値に転換する技術経営(MOT)の重要性が高まっており、こうした知識についても充分な理解が必要である。このため、経営戦略論、組織論、マーケティング論といった企業経営に関する知識について、以下の内容を中心に判定する。
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、3つに分類されます
①、経営戦略論について
- 経営計画と経営管理
- 企業戦略
- 成長戦略
- 経営資源戦略
- 競争戦略
- 技術経営(MOT)
- 国際経営(グローバル戦略)
- 企業の社会的責任(CSR)
②、組織論について
- 経営組織の形態と構造
- 経営組織の運営
- 人的資源管理
③、マーケティング論について
- マーケティングの基礎概念
- マーケティング計画と市場調査
- 消費者行動
- 製品計画
- 製品開発
- 価格計画
- 流通チャネルと物流
- プロモーション
- 応用マーケティング
4、運営管理(オペレーション・マネジメント)
運営管理で問われるのは、以下の内容になります。
中小企業の経営において、工場や店舗における生産や販売に係る運営管理は大きな位置を占めており、また、 近年の情報通信技術の進展により情報システムを活用した効率的な事業運営に係るコンサルティングニーズも高まっている。このため、生産に関わるオペレーションの管理や小売業・卸売業・サービス業のオペレーショ ンの管理に関する全般的な知識について、以下の内容を中心に判定する
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、2つに分類されます
①、生産管理について
- 生産管理概論
- 生産のプラニング
- 生産のオペレーション
②、店舗・販売管理について
- 店舗・商業集積
- 商品仕入・販売(マーチャンダイジング)
- 商品補充・物流
- 流通情報システム
5、経営法務
経営法務で問われるのは、以下の内容になります。
創業者、中小企業経営者に助言を行う際に、企業経営に関係する法律、諸制度、手続等に関する実務的な知識を身につける必要がある。また、さらに専門的な内容に関しては、経営支援において必要に応じて弁護士等の有資格者を活用することが想定されることから、有資格者に橋渡しするための最低限の実務知識を有していることが求められる。このため、企業の経営に関する法務について、以下の内容を中心に基本的な知識を判定する。
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、5つに分類されます
①、事業開始・会社設立および倒産に関する知識
②、知的財産権に関する知識ついて
③、取引関係に関する法務知識について
④、企業活動に関する法務知識について
⑤、資本市場へのアクセスと手続き
6、経営情報システム
経営情報システムで問われるのは、以下の内容になります。
情報通信技術の発展、普及により、経営のあらゆる場面において情報システムの活用が重要となっており、情報通信技術に関する知識を身につける必要がある。また、情報システムを経営戦略・企業革新と結びつけ、経営資源として効果的に活用できるよう適切な助言を行うとともに、必要に応じて、情報システムに関する専門家に橋渡しを行うことが想定される。このため、経営情報システム全般について、以下の内容を中心に基礎的な知識を判定する。
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、2つに分類されます
①、情報通信技術に関する基礎的知識
- 情報処理の基礎技術
- 情報処理の形態と関連技術
- データベースとファイル
- 通信ネットワーク
- システム性能
②、経営情報管理について
- 経営戦略と情報システム
- 情報システムの開発
- 情報システムの運用管理
- 情報システムの評価
- 外部情報システム資源の活用
- 情報システムと意思決定
7、中小企業経営・中小企業政策
中小企業経営・中小企業政策で問われるのは、以下の内容になります。
中小企業診断士は、中小企業に対するコンサルタントとしての役割を期待されており、中小企業経営の特徴を踏まえて、経営分析や経営戦略の策定等の診断・助言を行う必要がある。そこで、企業経営の実態や各種統計等により、経済・産業における中小企業の役割や位置づけを理解するとともに、中小企業の経営特質や経営における大企業との相違を把握する必要がある。また、創業や中小企業経営の診断・助言を行う際には、国や地方自治体等が講じている各種の政策を、成長ステージや経営課題に合わせて適切に活用することが有効である。このため、中小企業の経営や中小企業政策全般について、以下の内容を中心に知識を判定する。
(平成30年 中小企業診断士第1次試験案内より)
具体的な内容は、2つに分類されます
①、中小企業経営
②、中小企業政策
というわけで、本記事では、中小企業診断士の試験の科目や試験内容、その中身の詳細についてまとめました。
こちもございます↓