損益計算書には、数字がたくさんならんでおるのぉ～
これらの数字はどんな意味があるんじゃろう
そうじゃ、栄一に聞いてみよう
お～い、楊貴妃や！
はい、殿！
いかがなさいましたか？
渋沢栄一を呼んでくれるか？
いかがなさいましたか？
うむ、今回は「損益計算書」の見方について、くわしく聞きたいと伝えてくれ
かしこまりました！
しばしお待ちくださいませ
・・・
殿、ごきげんうるわしゅうございます
お～栄一！待っておったぞ
はは～
なんでも、「損益計算書」について、詳しく知りたいとのことで
そうなんじゃ
たくさん数字が並んでおるが、
これらがどんな意味なのか？
どこに注目すればいいのか？
といったところをおしえてほしいんじゃ
は！かしこまりました！
それでは、損益計算書の見方、読み方を解説させていただきます
お～ 頼んじゃぞ！
【財務・会計】「損益計算書」の見方とは？【中小企業診断士】
まずは、損益計算書が、どんなものかを、ザックリと説明いたします
うむ
損益計算書は、企業の利益と損失をまとめた財務諸表でございます
利益（プロフィット: Profit）と損失（ロス: Loss）の頭文字をとりまして、
P/L とも申します
貸借対照表は、バランスシートで、B/S じゃったな
損益計算書は、P/L というわけじゃな
ご明察です
損益計算書には、２つの書き方がございます
１つが、報告式
もう１つが、勘定式
でございます
なに！２つあるのか
はい、しかし、外部に報告する場合には、報告式の書き方が使われまして
他社の損益計算書を見る場合には、報告式で書かれた損益計算書なります
ほぉ
では、報告式の見方を知っておけばよいわけじゃのぉ
ご明察です
損益計算書では、利益と損失を記載するとのことじゃったな
まずは、利益の内容をおしえてもらえるかのぉ
かしこまりました
利益というのは、売上がないことには出てきません
なので、「売上高」 を知る必要がございます
売上高は、たとえば、企業の製品の販売額や、
サービスの提供額などを合計した値でございます
合計するというのは、いつから・いつまで と決まっておるわけじゃな
そのとおりでございます
通常は、１事業年度 という単位を１つの区切りとして、
その範囲で合計いたします
なるほどのぉ
ここから、利益は、どう、計算するんじゃ？
はい
その一定期間に、「売上高」を上げるには、
売るための製品を仕入れたりする必要がございます
これを「売上原価」と呼んでおります
売上高を上げるためには、もともと売上原価という費用が必要だったわけです
そこで、売上高－売上原価 の額を、「売上総利益」
または「粗利益」とよんでおります
なるほど！
単純に、野菜を１０万円で仕入れて、１２万円で売ったら、
売上高１２万円、売上原価１０万円、売上総利益（粗利益）２万円
というわけじゃな
ご明察です
しかし、モノを売ったりするには、
人を雇ったり
宣伝をしたり
箱を借りたり
するじゃろ
そういう費用も考えるべきなのではないか？
そのとおりでございます
人を雇う費用は、「人件費」
宣伝をするための費用は、「広告宣伝費」
箱を借りたりする費用は、「支払家賃」
と呼びまする
他にも、
出張があればその交通費などの、「旅費交通費」
営業目的の固定資産を持っている場合は、「減価償却費」
などがございます
たくさんあって、ややこしいのぉ
これらはまとめて、「販管費」と申します
販売費と一般管理費をまとめた言い方でございます
そして、先ほどの粗利益から、販管費を引くと、
企業の営業活動による利益が計算でき、
それを「営業利益」と呼んでおります
ふむ 本業でどれだけ儲かったか？という指標じゃな
ご明察です
しかし企業には、本業以外の収入がある場合があるじゃろ？
たとえば、銀行に預金していたら利息がつくじゃろうし、
株式をもっていたら、配当金がもらえたりするじゃろ？
逆に、お金を借りていたら、利息を払わないといけないこともあるわけじゃな
そのとおりにございます
利息による収益は、「受取利息」
配当金による収益は、「受取配当金」
利息の支払いは、「支払利息」
ともうします
ふむ
そして、受取利息や受取配当金のような、
本業でない収益のことを「営業外収益」と呼び、
本業以外の費用を「営業外費用」と呼んでおります
先ほどの営業利益と、まとめて考えれると便利じゃのぉ
ご明察です
営業利益に、営業外利益を足して、営業外費用を引いたものを、
「経常利益」ともうします
企業の通常の経済活動による利益、というわけじゃな
そのとおりでございます
しかし企業には、臨時的な収益もあるじゃろ？
たとえば、建物を売却して差額で収益が出たとかな
はい、
土地・建物などを売却して、臨時に発生した収益は
「固定資産売却益」と呼んでおり、まとめて「特別利益」といいます
もし売却して損してしまったら、「固定資産売却損」となります
また、災害などで被害を受けた時の「災害損失」もございます
これらの損失は、まとめて「特別損失」と呼んでおります
先ほどの経常利益に、これらを考慮すると、より現実に即した利益になるのぉ
そのとおりでございます
経常利益に、特別利益を足して、特別損失を引いたものを
「税引前当期純利益」と呼んでおります
なるほどのぉ
名前からして予想がつくが、次は税金の話じゃな
はい
税引前当期純利益から、
課税所得に対して計算された税額（法人税、住民税、事業税）を
引いて出てくる値を「当期純利益」と呼んでおります
なるほどのぉ
当期純利益は、 もうけ を表した数字じゃのぉ
そのとおりでございます
この当期純利益は、株主資本等変動計算書の繰越利益剰余金に加えられます
その結果、貸借対照表にも反映されております
なるほど！
損益計算書の結果が、貸借対照表とつながるわけじゃな！
おもしろい！
損益計算書、よくわかったぞ！
栄一ありがとう！
恐悦至極に存じます
ではこのことを楊貴妃に聞かせてあげるかのぉ
楊貴妃！楊貴妃や！
はい殿！
今日はな、損益計算書をくわしく学んだんじゃ
損益計算書は B/L とも呼ばれてな、
一定期間の利益と損失をまとめた財務諸表なんじゃ
売上高から売上原価を引いた粗利益
粗利益から販管費を引いた営業利益
営業利益に営業外の利益と損失を考慮した経常利益
経常利益に臨時の利益と損失を考慮した税引前当期純利益
税金を考慮した当期純利益
といったものがあるんじゃ
当期純利益は、巡り巡って、貸借対照表にも反映されておるんじゃぞ～
・・・
つづく
殿！こちらもございます↓
