日本の企業は、約380万社存在し、大企業はそのうちの1%です。
99%は中小企業で、さらにその9割は、製造業で20人以下、商業・サービス業で5人以下の小規模事業者です。
中小企業は、大企業に規模や資金力、ネットワークなど、さまざまな面で劣っているのが現実です。
これを「弱者」と呼ぶ場合があり、強者には勝てないイメージを持たれる方もおられるかもしれません。
じつはそうとも限らないんです。
「ランチェスター戦略」は、弱者が強者に勝つための戦略です
弱者には弱者に適した正しい戦い方があります。
それを学び、実践することで、弱者にこそある強みを最大限に活かしていくことができます。
この弱者の戦略の代名詞が「ランチェスター戦略」というものです。
ランチェスター戦略はもともとは、戦争でいかに有利に戦うか?という命題に対して、イギリス人エンジニアのフレデリック・W・ランチェスターが考え出した、数理モデルなんです。
数理モデルって?と思われるかもしれませんが、わかりやすくいうと、数理モデルは、ゲームの世界のように現実をコンピュータの中に置き換えたものです。
それが何の役に立つのかというと、
”その世界のどこをどう変えたら結果がどう変わるか?”
といったことを調べることができます。
現実では試すことができない様々な状況を、コンピュータの中では試してみることができます。
ランチェスターは、いろいろな状況を分析するうちに、
「ある条件のときは、ほぼ必ずこうなる」
といった勝ちパターンを見いだしました。
元々は戦争に勝つためのアイデアだったランチェスター戦略は、企業経営にも活かされるようになり、弱者の戦略=ランチェスター戦略として知られるようになりました。
「弱者の戦略」と「強者の戦略」ってどう違うの?
まず弱者と強者ってなに?というところですが、大企業がすべて強者というわけではありません。
強者は、なんらかの業界の1位の状態を指していて、残りの2位以下は、ここでは弱者として考えます。なので、大企業でも弱者の立場であることもあるわけです。逆に中小企業でもある業界1位であれば強者に当たります。
では、業界1位(強者)とそれ以外(弱者)だと戦略にどんな違いがあるの?って思いますよね。
代表的な違いは以下になります。
①、商品やターゲット選定
強者:市場規模が大きいもの・地域・客層を狙う
弱者:小規模1位。部分1位主義
②、広告・営業戦略
強者:テレビなどマスコミ広告宣伝を使う
弱者:直接営業、範囲は狭く
③、販売ルート
強者:商社や問屋のルートで小売店に間接販売
弱者:直接販売、範囲は狭く
弱者の戦略の4つのポイントとは?
基本的には、弱者が強者と同じことをしていたら勝てないと仮定しています。そこで、強者との差別かを行うわけです。
弱者の戦略のポイントは、
(1), 差別化
(2), 小さな1位
(3), 1点集中
(4), 接近戦
の4つにまとめられます。
- なるほど!たしかにその通りだよね
- でも、どうやって実践すればいいの?
- 具体例があればうれしいんだけどなぁ
と思われる方も多いかと思います。
弱者の戦略について理解できるだけでなく、どのように実践していくのか、実践している具体例にはどんなものがあるのか?といった内容を、サクッと学べるとうれしいですよね。
そういったあなたにはこちらがおすすめです↓
本書は、弱者の戦略であるランチェスター戦略について、強者の戦略との比較から、成功する商品・地域・客層の選び方、ファンや顧客のつくり方など、1つ1つ具体的に丁寧に解説されています。
また、夢の実現のために14個の語録が紹介されていて、迷ったときの支えになるはずです。
加えて、ランチェスター戦略のやり方を、3つのケーススタディを交えながら、具体的にわかりやすく解説してくれています。
1つめは、お弁当屋さんのFCで大阪1位にもなった、岩田芳弘社長の例があります。
20ぐらいから商売をされていた岩田さんは、頑張ってもなかなか成果が出ないときに「竹田式ランチェスター戦略」に出会ったとのことです。
それを実践に活かしながら、戦術だけでなく戦略を進化させ、地域1位から大阪1位へと成長していく過程の具体的なポイントが簡潔に分かりやすく書かれています。
岩田さんが利益を出すためにとった行動が15ほど紹介されていますが、どれも多くの中小企業の経営者の方々や個人事業主にも役に立つ内容となっています。
2つめはユーチューブ(YouTube)の動画投稿を活用して年商10倍を達成した鈴木佳之社長の例があります。
ユーチューブ+アメブロ作戦、ハガキ・アナログ営業作戦、菅谷式ニューズレター作戦といった戦略を駆使されます。動画を撮って投稿するのに抵抗があったそうです。奥さんの献身的な協力もあって、投稿するうちに平気になっていったとのこと。そういった心理面での変化も具体的に書かれています。
鈴木さんは、動画マーケティングコンサルタントの菅谷信一さんと、簿記教室塾長の後藤允男さんにアドバイスを受けていました。
このお二人による、鈴木さん成功の3つのポイントの解説や、「リアル」を伝えることの大切さなどの解説もあり、同様の手法を使い方にも参考になる内容になっています。
3つめは、建物オーナーの悩みを解決するアイデアを活かして、ブルーオーシャン市場を独占して成功されている、小沢亘社長の例です。
顧客との会話の中から、保険申請の代行する無料サービスというアイデアを考え出されます。
特化した商品、地域も限定、客層も決まっていて、というまさに弱者の勝利の方程式のお手本のような例がまとめられています。
本書は、弱者の戦略を初学者の方でもわかりやすく、かつ、具体的に説明してくれます。
中小企業の経営者の方、個人事業主の方など、実際の経営戦略でどう活かしたらいいのかについても、1つ1つ丁寧に示してくれます。
実際に成功した具体例を通じて、自分と重ねながら将来計画を立ててみるのにも使えるおすすめの良書となっています。
こちらもございます↓